Damascus96
Paper tear: May.23.2012 Size:W230mm,H180mm
1996年3月、ダマスカス。(ヨーロッパアマツバメが空を埋め尽くしていたのだ)
ダマスカスにはパキスタンから飛んで、ふらふらと行った。
ふらふらで、とある医院で点滴うけて一泊。
朝、洗面所で使い捨ての注射器を見つける。(針はなかった)
何の気なしにポケットにいれたそれが、その後チュニジアで拾う子猫にミルクを飲ませるのに役立つとは。
バスターミナルがあるヒジャーズ駅。
その昔、アラビアのロレンスに線路爆破されて以来、列車は来てないらしい。
この右手の裏の方にその医院はあったのだ、多分。そんな記憶。
写真がなくてネットで調べてこの絵になった。ほんとは裏側の横手の絵を作りたかったんだが。
とにかく、そこで、空一面のつばめ。
翌日もつばめ。
その翌日もつばめ。
ただひたすらに青い空。
私にとってダマスカスは、点滴と燕の街だった。
それが、今、戦火に破壊されている。
空は曇ってしまった。
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2012年 都展入選
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